「宮崎の情報、英語版と日本語版で、書いてある内容が違うのは何で?」Lonely Planetにも掲載された人気ブロガー、南アフリカ・Simoneさん
6月初日。皆様いかがお過ごしでしょうか、宮崎インバウンド隊、Aoiです。
今回は、スペシャルゲスト。今日のあなたの3分、このブログにいただければ嬉しいです。
旅人のバイブル・Lonely Planetにも紹介された有名ブロガー、Simoneさんに突撃インタビュー!
宮崎中をくまなく旅して、充実度トップクラスの英語トラベルブログ"Lost in the Lense" を運営する彼女が見た、宮崎の「今」とは?
今回も、ムービーでコメントをいただいています。※字幕付き
今回のキーワードは、「宮崎の面白い情報って、外国人には秘密なの?」です。それでは、お楽しみください。
-Simoneさんのブログを見つけた時は、衝撃でした。インバウンド事情調査の一環で、miyazaki travelで検索して、ヒットしたのがこちらのブログ。よーくよく読んでみたら、ん・・・?高鍋!?住んでる!?って本当にびっくりして、嬉しくて。会ってください!って直接連絡しちゃったんだよね。
ありがとう。私は南アフリカ出身なの。JETプログラムで日本に来て、もう4年になるね。みんなフレンドリーで、気候もよくて、ほんと素敵な場所だなぁ宮崎、って思うの。大好きだよ。
Simoneさん運営のブログ "Lost in the Lense"。美しい写真と洗練された文章で人気を博している。
日本を旅する外国人旅行者から問い合わせがくることも
Lonely Planetの廃墟テーマパーク、奈良ドリームランドの記事には、シモーヌさんのブログ写真が掲載。彼女自身もLonely Planetにインタビューを受け、コメントが載っている
-宮崎中、めちゃくちゃいろんな場所に行って記事書いてくれてるよね。あれってどうやって探してるの?
本当に宮崎の英語の情報、無いんだよね。それでトラベルブログ始めたんだけど、探すのは骨が折れる。同僚に聞いたり友だちに聞いたりして情報集めるんだけど、他にも行き先をGoogle mapを表示してくまなく見て、アイコンを探すの。何かあるぞ、って分かったら、そこを調べる。でもほとんど日本語の情報しか無いから、Google 翻訳で翻訳してるね。
北郷の猪八重渓谷の記事。皆さん、ここ、宮崎なんですよ。
-宮崎県民代表して心からありがとう、だよ。すごい労力…。Google Mapて…
ブログの読者にもね、申し訳ないな、て気持ちになるの。だって私の記事を見ていいな、って思ってくれても、公式WEBサイトは日本語メインで、日本語版と英語版で内容違ったりするでしょう?日本語版の方が情報充実していて、英語版はすっごくシンプルだったり。
「日本人にしか見せたくないの?外国人には秘密なことなの??」って混乱するよ。パンフレットとかも、そうだよね。
-あるあるだね・・・。
福岡や、鹿児島だって素晴らしい情報提供してくれてる。どうやって回ればいいか分かるよね。鹿児島は、各地に英語表記あるし。長崎も、まぁ歴史的に海外との関わりが多いっていうのもあれど、英語表記ばっちりだった。
もちろん英語だけじゃなくて、中国とか韓国とか、とにかく日本語分からない人たちに日本語オンリーっていうのは・・・。
-今まで50人以上インタビューしてきてるけど、全員から言われるんだよね。情報不足。本当に。
がっかりしてる声は、結構聞くよ。情報が無くて、宮崎どうやって回ったらいいのか分からないから。
「ああ、車無いと行けないんだね」ってなったり。宮崎は運転できなければ、市街地から出られないよね。電車もあるけど、ハイキングとか、すっごくキレイな場所とか、車じゃないと行けない。
五ヶ瀬町・うのこの滝。「えー!五ヶ瀬にも行ったけど、知らなかった…!すごい!」 とSiomone。神秘的な滝
-リーチするために、じゃあどうやったら行けるのかとか、そういう所、まだまだ知られてない部分たくさんあるんだよね。日本の印象というか、海外と比べてみて感じたことはある?
そうだねぇ。私、この間初めて韓国に行ったんだけど。すごく興味深い国だなって感じた。「伝統」と「現代」が両方ある感じ。あなたはあなた、って感じで、空港降り立った時も、誰も私の事をジロジロ見てこなかった。日本だと、「あ、ガイジンだ!(注:原文ママ)」って感じじゃない?
私個人、一人の人間として、というよりも、「南アフリカからきたキャラクター」として認識されてることにフラストレーション感じることもあるよ。
-それを言うと、私、Foreignerって言葉が好きじゃないんだよね。響きが「Outsider(アウトサイダー)=よそもの」に繋がるっていうか、日本と区別してるっていうか。
それ!あのね、Foreignerって言葉、私たちは使わないよ。友だちとの間でも。だって、色んな人がいるじゃない。でも日本ではとにかくForeigner, Foreigner, Foreigner….だよね。
日本は伝統を守ろうとするあまり、変化を恐れてる部分があるよね。
-地球に生まれてるんだから、みんな兄弟じゃん?って私は思うんだけど。
経済だって何だって、今世界中がつながってるのにね。
-宮崎中行きまくった中で、何が面白かった?
来た当初は、毎週末のように色んな場所の祭りへ行ってたよ。
4年間宮崎に住んでた中での私の一番の旅の思い出は、小さなことだけど、都城の関之尾の滝の隣にある、あじさい公園のマーケットの陶器販売のブースで、トンボのモチーフのカップを買ったこと。青島とかじゃないの、私にとっては。
宮崎って陶器作ってる人たくさんいるよね。そういう所でワークショップができたら、みんなやりたいと思うけど。
-陶器かー。窯も多いもんなぁ。
あとは、神話。すっごく面白いと思う。
-え~神話!実は、海外の人たちに受け入れられるかどうか、定かじゃないなぁ・・・って思ってたんだけど。
ギリシャ神話とかローマ神話を私、勉強してたの。日本の神話のことを知った時、「うわー!日本バージョンもあるんだ!」ってびっくりした。コンセプトは外国人でも理解できるはず、でもこれも情報、無いよね。
これって、東京とかでは得られない、宮崎ならではのものでしょう。
-そうだね。他には無い、オンリーワンなものだと思う。
神話を知ってれば、いろんな所が楽しめる。でも、英語で書かれた文献ってなかなかないから、神話を勉強したことがある人が書いた、非公式のブログを読んでるの。
高千穂にもちょっとしたパンフレットとかはあるけれど、「天照大神」が誰なのか分からなければ、「天照大神って・・・?」ってなるよね。
サーフィンやハイキングに興味ある、って言う人達の他にも、文化・歴史っていうキーワードに引っかかる人たちがいれば、興味あるトピックだと思うよ。
-いろんな視点で話してくれて、今日は本当にありがとう。最後に、宮崎の課題含め感じていることを一言メッセージでお願いします。
【Aoi後記】
インタビュー中、涙がこみあげてきたことは、今までありませんでした。
嬉しくて、そしてそれを上回って悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいになったのです。
こんな素晴らしい逸材が、はるばる南アフリカから宮崎へ、子どもたちの英語教育のためにやってきて、頑張って情報を集めて足を使って宮崎中を旅して、時間をかけて記事にして、宮崎を愛している。
彼女のブログで、間違いなく助かった人たちが居るはず。宮崎のことを世界へ発信してくれている。ありがとう、以外に何があるというのか?そして、どうして地元の私たちが、宮崎自身が、その役割を担えていないのか。彼女に「ガイジン」と自分で言わせてしまう、疎外感を感じさせてしまっているのは、なぜか。
インバウンド推進には、彼女を始めとする、多角的かつ多様な視点をもった多様な人たちの力が絶対不可欠だと、今回のインタビューで確信しています。
海の向こうから来てくれた外国人観光客の宮崎の本当に素敵な部分を楽しんで、充実した気持ちで次の目的地へ行って欲しい。そのために、視点はいくらあってもあり過ぎることは無いはず。
彼女のブログは本当に読み応えがあります。どうして宮崎の観光界隈の皆さんは、彼女に声をかけなかったのかな?と首をかしげるレベルです。彼女のブログは、宮崎の宝ですよ。
美しい写真と一緒に、宮崎のすがたが彼女のレンズを通して、丁寧に描かれています。ここが、私達の住む宮崎なんだなぁ、と、誇りを持てるようなそんな文章なんです。
単なる観光地レポートではなく、アクティビティの歴史なんかについても触れられています。
私は、宮崎のことを、「アジア最後のユートピア(理想郷)」だと思っています。
気付いていないだけ。内側の私たちが、本気で向き合っていないだけ。
旅人たちの、海の向こうから来てくれた人たちの声を集めて、集めて、集め続けて・・・・早いもので、半年が経過しました。
生の声を集めて現状把握し、共有し、道筋を見付けるために始めたこの宮崎インバウンド・リサーチブログ。
やるべきことが、はっきりと見えてきています。
引き続き、自分たちのミッションに嘘をつかず、へこたれず、笑顔で足を前に出し続けます!
Written by. Aoi @ 宮崎インバウンド隊